徳之島の歴史文化自然遊歩記

医学院跡、薬草の原料は奄美からも・・・ 五代友厚の像 小松帯刀　像

　鹿児島に行くとどうしても、「幕末と明治維新」が目に付く。2018年は明治維新150年の節目。奄美出身としては「奄美と薩摩」という目で見てしまうのは仕方のないことだろう。今の世が鹿児島県で束ねられている県民感情とは別物として、「歴史」の名の下に私たちは150年を迎えたい。天文館には1779年島津重豪は天文台（天文館）設置、薩摩暦作成、医学院など創設。
この時期は奄美は第一次砂糖総買入制（１７７７年）によって収奪が厳しくなり人々は黒糖地獄ともいわれる世を迎えた頃だ。そして産業会館前にはＮＨＫ朝ドラマ「朝が来た」で登場した、五代友厚の像がある。大阪商人の会頭として活躍した。そして宝山ホールの前には大政奉還の立役者、小松帯刀の像である。あの大久保利通や西郷隆盛などを経済面からも支援した幕末の薩摩藩家老、明治維新の偉大なる人物だ。
他にもまだまだある。島津忠義（久光の長男）や大久保利通、西郷隆盛・・・。だが奄美の姿は見えない。500万両の借金で250年賦借金踏み倒しや偽金作り、密貿易そして何よりも黒糖の収入が幕末の薩長、明治維新の原動力と成る資金源であったこと。
歴史は事実を正面からきちんと見ること、また角度を変えて、立ち位置を変えると歴史もまた変わる、ということ。奄美の側からの歴史を見つめる150年でもあってほしい、という思いがある。